【貴州】600年前のトン族民居を確認


貴州省黎平県高寅村に点在するトン族の集落に、600年もの間、風雨にさらされながらも完全な形で残る木造の民居が8棟あるのが確認された。

  当地で出土した家譜によると、これら民居は明代の永楽元年、1403年に建てられたもので、現在の世帯主は30代目にあたる。8棟の建築面積は総計4200平方メートル余り。うち4階建てで4部屋ある民居は1棟、3層5室は2棟、3層4室が5棟。各棟では今も7世帯以上、4階建ての家では12世帯が共同生活を送っている。

  建築技法は非常に精緻。柱に使用した杉の木材は直径1メートル。1本の釘も用いずに、木組みする工法を採用し、主体となる梁と柱が空中を衝くように各層を支えている。逆ピラミッド型の構造が独特だ。がっしりとした造りで通風もいいため、数百年を経ても老朽化することはなかった。彫刻の施された八面玲瓏たる木壁が一際目を引く。

  専門家は「これらの民居からトン族の聡明さと英知のほどが理解できる。トン族が暮らす地域の文化、その建築芸術を研究するうえで非常に貴重だ」と話している。

  「チャイナネット」2003年8月14日